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皆様こんにちは、パティシエの稲田です。

気付けばすっかり秋を感じる季節になってきましたね。僕はこの少しづつ季節が移り変わっていくタイミングがすごい好きです。

いよいよCOCOKYOTOのケーキのラインナップも秋色に変わり、秋の新作として5品ラインナップしております。

前回の僕のブログにも書きましたが、今回は2品担当させていただきました。

かぼちゃのタルトとムラサキ芋のガトーです。

かぼちゃと芋なのでどちらも秋らしい見た目にはなっておりますが、詳しい内容は、、

かぼちゃのタルトは、濃厚な仕立てになるようかぼちゃのクリームを炊き上げ、間にアクセントでカシスを使ったガナッシュをいれています。タルトの中にはチョコレートのカスタードクリームをたっぷり絞っていますので、見た目のサイズ感以上に食べ応えのあるケーキになっております。

ムラサキ芋のガトーは、チョコレートのムースとバニラのムースの2層仕立てにし、バニラのムースには少しだけブランデーをきかした仕上がりにしています。底と間の2層にサクサクとした食感のメレンゲ生地を使い、食感も楽しんでいただけるケーキになっております。

どちらもそれぞれの特徴に合うようチョコレートの産地も変えておりますので、味わいの違いも感じてもらえたらと思います。

この他にも3種類秋のケーキが出ておりますが、そちらは少し前のブログに詳しく記載しておりますので、是非そちらを一読いただけたらと思います。

さて、今本店では1年の中で1番忙しいバレンタインに向け動き始めています。

えっ!?もうバレンタイン!? と思われるかもしれませんが、そこがBeantoBar専門店ならではなのかもしれません。

いわゆる一般的なケーキ屋さんでは、いざチョコレートを使って何かを仕込もうとなった時、専門的な所から仕入れたものを使うことが多いです。なので急に無くなったとしても、比較的すぐもってきてもらうことが可能です。

ですがCOCOKYOTOではそもそものスタートが全く違います。

まずはじめにチョコレートの原料であるカカオ豆を仕入れる所から始まります。

もちろんカカオ豆は日本ではなく、海外からきますのでお店に届くまでに日にちがかかってしまいます。

さらに届いてから不純物や豆の大小など目視で確認をすることからスタートします。

ではここから何日で皆さまのよく知るチョコレートとして完成するのか。。。

先程言ったようにまずは豆の選別から始まります。

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選別を終えた豆をロースト(焼く)します。

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ローストを終えた豆は1日寝かし、安定させます。

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寝かし終えた豆を、ウィノワーといって風の力を利用した機械でカカオニブ(これがチョコレートのなります)とカカオシェル(カカオニブを覆っている皮)をわけます。

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機械だけでは分別しきれないカカオシェルを、目視で取り除いていきます。

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カカオシェルを取り除いたカカオニブを、コンチングマシン(滑らかにするための機械)にいれ1日回し続け滑らかな状態にしていきます。

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滑らかになったカカオニブに、砂糖などを加えさらに1日まわします。(砂糖などの粒子を細かくする)

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翌日、テンパリング(チョコレートの温度調整)をし、型などに流しいれます。

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完成したチョコレートは1日寝かし、香りを安定させます。

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翌日、仕込みなどに使用出来る状態となります。

いかがでしょう。簡単にではありますがざっとこれだけの作業をおこなっております。

これだけの作業を急いで行っても完成までに、約5日もかかります。

今COCOKYOTOでは10種類以上の豆を取り扱っているので、かなり膨大な時間がかかることが分かっていただけるかと思います。

どんな仕事も準備が大切かとおもいますが、COCOKYOTOもこの準備に全てがかかっています。今本店の仕事のおおまかな組み立てをまかせらているので、今日はどこの産地の豆を焼こう、や、どのチョコレートを作っていこう、来週はどうしようなど考えることが山のようにあります。

ただ自分が考えた通りに仕事がスムーズに進んだ時は、達成感はたまらないものがあります。(笑)

なによりも皆さまに美味しいチョコレートをお届けできるよう、楽しみにお待ちいただけたらと思います。