新しい京都ブランドを探し求めて!vol.1

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こんにちは、COCO KYOTOシェフの横田です。

9月に入り少しずつですが秋の気配が近づいてきてるように思います。食欲の秋、読書の秋など、いろいろな秋を楽しんでいければと思います。

さて、少し遡ってこの夏の間に行った新しい京都ブランドの商品開発についてお話ししたいと思います。

その第一弾は京都煎茶です!

COCO KYOTOで使用している宇治抹茶や玉露焙じ茶などは、京都の城陽にある森田園さんから仕入れさせていただいてます。こちらの森田さんは国内の数ある賞を受賞されてきた経歴の方で、お茶の世界では大変有名な鑑定士さんなんです。京都のマールブランシュさんの茶の菓や最近では大手コンビニファミリーマートの抹茶フィナンシェなど数ある商品の監修もされた偉大な方なんです。

今回お邪魔させて頂いたのは、森田園さんの玉露焙じ茶を使用した商品が、2020〜2021年のinternational chocolate awardでアジアに続き世界ファイナルでも受賞した事へのご報告とお礼にと思い、また次回のバレンタインやICAへの新しいお茶を探すべく訪問させていただきました。

そして、いろいろなお話をさせていただいてる時に出して頂いた煎茶!これが本当に美味しくて、風味といい、口当たりといい、まるでダシのようなねっとりとした味わい。今まで飲んだ煎茶とは比べ物になりませんでした。森田さん曰く、お茶は水出しで飲むのが一番美味しい!味、香り、お茶の良さを最大限に引き出すのは水出し、とおっしゃっていました。

その味わいに感激し、それまでは何のお茶がいいか迷っていたのですが、まさにこれにしようって決まりました。

そこからは煎茶について質問させてもらい、やはり自分的には京都の煎茶を使用したいと頼みましたが、京都に拘るのも悪くないけど、抹茶なら京都宇治、けれど煎茶なら京都よりも美味しい所はあるし、その味を知っているからこそ、それを提供する事も可能だと。

京都ブランドをとるか、味を優先するかで葛藤し悩みました。自分の思いや拘りなどいろいろと聞いてもらい、やはり京都に拘りたいという自分の意思を尊重してくださり、なら厳選した京都の煎茶をと、3種類サンプルとしてその場で提供してくださりました。

その後お店に戻り、自分の中に残ってる煎茶の余韻を忘れる前にチョコレートを食べて、煎茶に合うチョコを選びました。

チョコレートが決まれば次は3種類の中から1種類に絞る為に茶葉を加えてコンチングです。ブレンドもいいですが、やはり単一に拘る変なところがあるので厄介です。

コンチングをしていると分かるんです、同じお茶でも風味や色味がそれぞれ違う特徴ある物って事が。改めてお茶の奥深さを感じました。

出来上がった3種類のチョコをテイスティング。コンチングしている時に感じたそれぞれ違う風味や味わいの特徴が伝わってきます。煎茶独特の渋味や香り、それが一番出ているのはこれだろう、と1種類決めたんですが、やはりここはお茶のプロの方にも意見を聞きたくて試食してもらいました。そして自分と同じ品種の答えが返ってきたので、これは間違いなく決まりました。

次は加える含有量の試作です。4%.5%.6%とそれぞれ加えてまた試作。

4%を食べた時に素直に美味しい!と感じました。でも確かに食べやすいけど少し物足りないと言うかもう少し煎茶の渋味と風味がほしいと思いました。

5%をテイスティングすると、煎茶の渋味もしっかり出ていて、香りも申し分ない、と感じました。

最後に6%をテイスティング、他の2種類よりも煎茶の存在感をしっかり感じられ食べた瞬間から煎茶の香りが口の中で広がりました。ただ、煎茶の渋味が強すぎてタブレット1枚を食すとなるとしんどいかな?と感じました。

自分の中ではバランス、味、風味の総合評価では5%の含有量が一番適してると思いました。

こちらもやはりお茶のプロにも感想を聞きたくて試食してもらいました。自分とほぼ同意見で5%くらいが一番適してると返答頂きました。

これで煎茶の新しいフレーバータブレットが完成しました。

ホンジュラス産カカオ50%×京都煎茶の新しい京都ブランドのタブレットです!

このタブレットは今年のICAに出品する予定です。

続いてこの煎茶を使用したバレンタイン限定の新しいボンボンショコラの開発です。

来年のバレンタインには限定の3個入りを4種類出す予定をしています。その一つに京都のお茶を使用したtea selectionです。

京都宇治抹茶、京都玉露焙じ茶そして京都煎茶のボンボン3種類の詰め合わせです。

上品な苦味の抹茶と香ばしい風味の焙じ茶、程よい渋味の煎茶。それぞれ違う特徴を持つお茶を詰め合わせたアソートを考案していました。抹茶と焙じ茶は完成していたのですが、最後の煎茶のボンボンをどうするか?

最初水を沸かして茶葉を入れ煮出し、クリームと合わせてチョコレートと混ぜてガナッシュを作ってみました。テイスティングすると煎茶の香り、味わいが弱い。なら煎茶の含有量を増やしてもう一度。1度目よりは風味などはいいけど、まだ物足りない。もう少し増やしてさらに試作。今度は渋味が強く出過ぎて、くどくなってしまった。

自分の納得できる味に辿り着かず、どうしようか?悩んでた時に、あの煎茶のチョコを使用してガナッシュを作ってみよう!と思いました。

そして試作してテイスティング。これはいい!って感じました。もう少し風味が欲しかったので、ここに煮出した煎茶を加えていけば風味が増すはずと思い、さらに試作を繰り返し、ようやく自分が納得する煎茶のボンボンが完成しました。

口の中で煎茶の風味とチョコレート風味が混ざり合い、最後に残るのは煎茶の渋味。この最後の渋味が雑な渋味ではなく本当に良い煎茶の渋味なんです。

2022年バレンタイン限定tea selection。京都ブランドの名に相応しいボンボンショコラが登場します。

是非お楽しみに!